一般社団法人中国留学生史研究協会
一般社団法人中国留学生史研究協会

19世紀末、日本は明治維新を通じて近代化を成し遂げ、欧米の文化と科学を積極的に取り入れ、急速に世界の強国として台頭した。一方、清政府は甲午戦争に敗れ、現実を目の当たりにした若い世代は、日本との差を痛感し、国の変革を目指す熱い思いを抱いた。このような背景の中、多くの中国青年は日本の成功から学び、自国の近代化を推進するために日本へ留学することを決意した。

1896年から、清政府からの唐宝鍔や戢翼翬をはじめとする13人の留学生派遣を契機として、数万の中国青年は日本に渡りました。彼らは予備校で日本語を習得し、東京や日本全国の学校に進学して、様々な分野で情熱をもって「日本」を学び、文化と科学を貪欲に吸収しました。その結果、黄興や宋教仁をはじめとする中華民国を建国した革命者、蒋中正や汪兆銘などの中国国民党の中心メンバー、陳独秀や李大釗などの中国共産党の草創期メンバー、周恩来や董必武などの中華人民共和国を建国した指導者たちが輩出されました。また、魯迅、郭沫若、田漢などの文化人も多く誕生しました。何よりも重要なのは、何千人もの留学生が中国に帰国し、それぞれの地域や専門分野で日本での留学経験を生かして、中国の発展に大きく貢献したことです。

百年後の現在、経済大国となった中国と日本の交流は新たな時代に入り、新たな視点や行動で中国と日本を繋ぐことが期待されています。そのためにも、20世紀初頭に海を渡って日本に来た留学生の歴史と精神を再評価し、それを未来に結びつけることが必要です。

私たち一般社団法人中国留学生史研究協会は、中国と日本を繋ぎ、歴史と未来を結び、留学の精神を讃えることを目的に、中国留学生の歴史と活動に改めて光を当てる活動を行っています。当協会では、歴史的資料の収集と保存、学術研究の推進、講演会や展示会の開催などを通じて、留学生の歴史を広く一般に発信しています。また、若い世代に過去の留学生の精神を伝え、彼らの足跡を追い、新しい時代の架け橋となる人材を育てることを目指しています。